松本一哉 3rd「無常」

2022年11月11日に、5年ぶり、３枚目となる音源「無常」をSPEKK からリリースします。

今作「無常」は、氷をテーマとした作品となっていまして、2014年から2022年までの9年の歳月をかけて制作しました。リサーチを含めると10年以上になります。凍結した湖や流氷などが起こす音と共に、本来楽器ではないモノなどを使用し即興で1発録音をしたり、色々な仕掛けを用いて環境そのものに働きかけて録音した作品です。

本作は2枚組になっていまして、disc1は氷上で起こる事との演奏や働きかけを基にし、disc2はハイドロフォンを使用し氷下で起こっていた事との演奏や働きかけを基にした作品構成になっています。

ダウンロード版ではなく盤で購入していただくと、32ページあるブックレットには、どういう音と向き合ってきたのかや、作品完成までの経緯のテキストを掲載しています。1曲1曲の解説は載せたくありませんでしたので記載しませんでしたので、映画監督の今野裕一郎くんが撮影してくれた動画が見られるQRコードが付いています。どういう環境下で録音制作していたのかを見てもらい、音源を聞いていただけたらと思います。また、私が録音の合間などに撮影した写真が複数枚掲載されています。

願わくば、中低域のしっかり鳴るスピーカー、それが難しければヘッドフォンで聴いてもらいたいです。大変かもしれませんが、私の向き合ってきた音の態度と同じく、長い時間をかけて音と向き合って、何度も何度も繰り返し、末長く愛聴してもらえたら、嬉しいなぁ。

松本一哉

マスタリングをしていただいたTaylor Deupree氏からコメントをいただきました

マスタリングの際に長い間、そして深く「無常」を聴いていました。

その録音のクオリティーと清澄さは、氷を触覚性の高い、生きた、呼吸をした生命体とさせています。

まさに自然の繊細さと力強さを同時に表したものです。

I spent a long time listening deeply to “Mujo” during the mastering process and the quality and clarity of the recordings make the ice a highly tactile, living, breathing organism. It is nature displaying subtlety and power at the same time.

最初のマスタリング音源が届いた際にもとても熱いコメントをくださいました。レーベルオーナー曰く、テイラーは余程気に入らないとコメントをしたがらないそうで、コメントをいただけたこと、とても光栄です。

盤で購入の方への特典にブックレットに録音風景の動画QRコードがついていますが、撮影してくれた今野裕一郎くんからコメントをいただきました。

『無常』の映像記録作品として『YOU CAN SEEEE IT』をつくりました。

この映像は、音楽家・松本一哉が音源制作のために通い続けた湖でのクリエーション作業でもあり、ただの日常でもある姿を記録した映像群です。

これから一ヶ月ごとに更新されて全部で五つの映像が見れるようになってます。

11月11日、12月11日、1月11日、2月11日、3月11日と映像が更新されていく予定になってますので、QRコードから飛んでいただき毎月最新話を楽しんでもらえたらと思っております。

今野裕一郎

無常リリースツアー開催します。

ツアー日程・詳細はこちらから

※日程確定次第こちらのページに随時アップしていきます。